今年も梅雨の時期に入りました。雨が多くなるこの時期は、雨漏りの相談も多くなります。

先日雨漏りの相談をいただいた事例から、雨漏り調査、原因と対策（補修方法）をご紹介します。

はじめに、OB施主様から「雨が漏っているかも」と連絡がありました。現場調査に出かけると、ベランダ下の天井にシミがあり（①黄色矢印のところ）、腐食している様子が見受けられました。

詳しく調べるため、天井を解体してみると、木下地が濡れて腐食していました。特に角の部分（②赤く囲んだところ）の腐りが大きいです。

（ベランダを下から見た様子です）

では、雨漏りの調査方法についてです。

基本的には、ホースで雨漏りが起きているところの周辺から水をかけて調べる事が多いです。今回もベランダの腰壁と下屋根の取り合い部に水をかけました。

腰壁と屋根との取り合い部には雨押えとよばれる板金の役物を取付けます。この周辺は、処理の仕方によって雨漏りの原因となる場合が多い場所です。

実際に水をかけて原因を特定。

その結果、雨押えの下にあるのし瓦と平瓦の間から水が侵入して、ベランダの壁の中を通過。そして、先ほどの赤丸（②）のベランダ天井の角に染み出てきました。

続いて、雨押え、のし瓦、壁際の平瓦を一度、剥がしました。すると、捨て谷の立上げ部分の長さが短く（③黄色矢印）、壁の中で止まっていたため、捨て谷を流れた水も壁の中に入ってしまっていることがわかりました。

対策は、短かった捨て谷を長くした。

捨て谷の立上げ部分の長さが短く、壁の中で止まって水が排出されなかった原因を参考に、捨て谷の立上げを長くしました。

「捨て谷」　左／補修前、右／補修後（長くなった）

補修後の「捨て谷」　上から見た様子

瓦や雨押えを戻し、ホースで再度、水をかけて問題ない事を確認しました。これで安心です。最後に軒天を復旧し、補修完了です。