熱橋(ねっきょう)とは?その建築的対処方法
今日もご訪問ありがとうございます。
今日は以前のブログで紹介した鉄骨造のお宅でのリフォーム工事に関して…
👉こちらの記事です
その中で登場した『熱橋』について詳しくお話していきたいと思います!!
(👇解体後むき出しになった鉄骨の柱(熱橋))
(👇鉄骨の柱(熱橋)を囲う断熱材)
(👇断熱境界の内側に露出する鉄骨の柱(熱橋)を断熱材で囲う)
熱橋とは建物の中で熱を伝えやすい部分のことです。
住宅の外部の熱(暑さ・寒さ)を、断熱境界の内側(室内空間)に橋渡しして伝えてしまう存在になるため、熱橋(ヒートブリッジ)と呼ばれています。
せっかく断熱材を使用しても、熱橋を伝わって外部の熱が室内に入ってきてしまっては期待通りの断熱性能が発揮されず、夏・冬ともに快適な室内空間になりません😔
そこで、ヤマタケ建設ではこの熱橋に対して特に気を付けて対策をしています!!
熱橋の対策手法は大きく分けて二つあります。
①断熱境界の内側に露出される熱橋を断熱材などでシャットアウトする
②熱橋の外側(外気側)に断熱材を施工し、そもそも熱橋に熱を伝えない
先日リフォームの現場で紹介したのは①の手法です。
木造の新築現場でも、梁を貫通するボルトなどは断熱境界の内側に露出されてしまいます。
(👇熱橋となるボルト)
(👇発泡ウレタン断熱材を充填)
(👇充填完了)
この場合は上の写真のように発泡ウレタン断熱材を局所的に施工します。
こうすることでボルトを伝わって外気の熱が断熱境界の内側に侵入することを防ぎます。
また、このボルトの熱橋で注意しなければいけない事がもう一つあります!!
それは『結露』です。
もしこのボルトが断熱処理されずにむき出しのまま冬になると、当然ボルトは外気で冷やされます。
冷えたボルトに暖かく湿った空気が触れた場合、結露する可能性があります。
もしも、天井の上の空間にある梁部分で結露が発生した場合…
室内からは目視で発見することは難しいため、長い間に梁の腐食が進み、気が付いた時にはかなり大掛かりな補修が必要…😱
なんてことも考えられます。
ちょっとした事ですが長く快適さを保って、安心して住むにはとても大事なことです!!
続いて②の手法は具体的には外張り断熱などが挙げられます。
一般的に断熱材は充填断熱と言い、柱や梁などの構造材の間に施工されることが多いです。
この外張り断熱とは構造材の外側(外気側)に断熱材を連続して施工するので、そもそも熱橋が無くなるという工法です。
(👇主構造が鉄骨の新築)
(👇熱橋となる鉄骨の柱と梁)
(👇熱橋となる鉄骨の梁の一部が外気側に露出しています)
(👇断熱材を連続して張ることで熱橋が無くなります)
写真のお宅は新築の工事です。
主構造が鉄骨で梁・柱がすべての外壁面に接しているため外張り断熱工法を選んで施工しました。
熱橋がなくなるこの工法は断熱性の向上が期待できます!!
お引渡しも終わり、実際に今年の冬からお客様が住んでいらっしゃいます。
『今まで住んでいたアパートとは比べ物にならないほど暖房の効きがとっても良い!
まるで床暖房をしているかと勘違いするほど床まで温かく感じる♫」
とおっしゃっていました😊
こちらのお宅には床暖房などは設置していませんが、外張り断熱工法で熱橋が全くない状態になっていますので断熱性が非常に良く、
室内の温度ムラがないのでエアコンの効きが良いのと、天井付近・中間部分・足元付近と一定の温度で暖まるので足元まで温かく床暖房をしているような感覚になるのだと考えられます。
反対に熱橋の対策を怠り断熱性能が十分に発揮されない家でエアコンを使用しても中間から上部に暖かい空気が溜まって、足元には冷たい空気が動かず居座り、顔や上体の周りだけが暑く腰回りや足元は冷えたままという非常に不快な状態に陥ってしまいます😥
①、②どちらの手法を選択するにしても、
「きちんと熱橋の対策を行う」
ということが夏は涼しく、冬は暖かく快適に、光熱費を抑えてエコに安心して生活していく大事なポイントになっていくと思います💡
少しマニアックな内容になりましたが💦
皆様の快適な生活や住まいづくりの参考に少しでもなれば幸いです😄
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました🙌