施工事例の紹介 備長炭焼鳥 鳥しげ様
今日もご訪問ありがとうございます。
新しい新築施工事例をUPしましたのでブログでも紹介させていただきます♫
今回は店舗併用住宅の 備長炭焼鳥 鳥しげ様 の事例です。
≪ヤマタケとの出会いについて≫
ヤマタケのスタッフが鳥しげさんのファンで、何度かお店に通っていたところ、たまたまご主人から「実は今移転を考えていまして、もう土地は決まっています。」とのお話をお聞きしました。そこで設計提案の機会をいただき、今回の計画がスタートしました。
≪配置や建築計画全般について≫
建設予定地に現地調査に伺って驚いたのが土地の形状でした。約18坪の三角地で建物を建てる区画もかなり限られてきます。
(三角地の建設予定地)
ご要望をヒアリングさせて頂いたところ、
・1階を店舗とし、6.5mの直線の木のカウンターが欲しい
・お客様の席を広く確保し、座席の後ろを人が通れる余裕が欲しい
・2,3階は住居スペースにしたい
ということでプランニングさせて頂きました。
特殊な形状の土地に合わせた3階建ての建築では、木造だと間取りに制限が出て来てしまう為主構造に鉄骨造を採用した建物です。
(主構造は鉄骨)
≪お客様のご要望とヤマタケからのご提案ポイント≫
【外部】
外壁は、ほぼ全面に杉板を焼いて作った焼杉の板を使用しています。表面の炭化した黒さは有機物の質感で、不思議なつやを放っていてとてもいいです。
(夜間の外観)
(アプローチは白い砂利と桧の格子)
玄関周りは白い漆喰仕上げ、扉は土佐杉の一枚板から作った引き戸を設置しました。黒い外壁の中にそれぞれがとてもいいコントラストになっています。
(加工前の土佐杉の一枚板)
(ライトアップされた木目が素敵です)
【内部】
ご主人との打ち合わせの中から奇をてらったデザインでなくシンプルでありながら品のある優しい空間を演出していこうと方向性が決まっていきました。
内部の造作と仕上げは純和風です。
お店の顔ともいえる一枚板のカウンター。使ったヒバ材(原板は長さ7m、幅60cm、厚み6cm)は、ヤマタケの先代の社長が丸子の料理屋さんへ納めさせていただいた板の残りがたまたま保管されていたものです。
(ヤマタケの工場での製材の様子)
(ヤマタケの工場での加工の様子)
一緒に保管されていた板からカウンターの上の付け台と、座席の後ろの荷物置きも取ることができました。客席に座るとヒバ材の美しさとほのかな香りが感じられます。
カウンターの向こう側の板場は、ご主人が焼き鳥を焼いたり、奥さんがお酒の用意をしたりするスペースです。その後ろの壁は真壁づくりになっていて柱が見えます。数寄屋建築や茶室に用いられる杉の面皮柱を使用しています。その名の通り、丸太の丸みを残して作られます。角の柱よりも丸みがあるため優しく映ります。
(手前:食器棚 奥:ワインセラー)
(面皮柱と障子が優しい空間を演出)
板場の床は客席よりも40cmほど下げて、ご主人とお客さんとの目線が合う様に設計してあります。
≪担当者からの一言≫
建物の構造の検討から始まり、仕上げ材のこと、板場の奥行、作業台の高さ、カウンターの高さ、奥行き、座席の後ろのスペースなどお施主様と何度も何度も打合せしました。自分の大好きなお店の設計に携われることが楽しくて仕方ありませんでした。完成した時には嬉しい反面、もう終わってしまったのかと少し寂しい気持ちになりました。(笑)
お施主様が一番こだわられた客席はヤマタケの事務所の中に実際の大きさと同じ模型をつくってシミュレーションもしました。天井は座席の後ろの通路スペースと座席の上~板場とで高いところと低いところを作ることでお客様の目線になって居心地の良さを確かめました。メリハリがありながらもゆっくりお酒を楽しめる居心地の良い空間になったと思います。
(ヤマタケ事務所でのシミュレーション)
先日完成のお祝いも兼ねて携わってもらった職人さんやヤマタケのスタッフで鳥しげ様に伺いました。
やはりもとっても美味しくてつい飲みすぎてしまいました。
(お施主様、職人さん、スタッフと工事の思い出話に花が咲きました)
藤枝にこんなにおいしいお店があることに本当に感謝します。
ご興味のある方はインスタグラムの鳥しげさんのアカウントから予約状況をチェックして頂いて是非おいしい焼鳥を食べに行ってみて下さい!
かなりの人気店ですぐ席が埋まってしまいますので、希望の予定を抑えたい方はお早目のご予約をお勧めします。